本シリーズは、当社リアルライフイエンスにてCRO領域に特化した採用と転職のサポートを行うコンサルタント、上谷 奈穂がLinkedIn上で連載している「NaoのCRAキャリア通信」を抜粋して掲載したものです。
面接で「他にどんな企業を受けていますか?」と聞かれた場合、皆さんは何と答えますか?企業名まで答えるべきなのか、どこまで開示すべきか、悩まれる方は意外と多いかもしれません。
今回の記事では、そのような答えにくい質問について、答え方のコツをご紹介します。
良く聞かれる質問と回答例
ピックアップした質問内容は下記の3つです。
- 他社選考状況
- (複数受けている場合)志望度は?どのように決めるか?
- 希望年収
それでは、一つずつ見ていきましょう。
①他社選考状況
質問の意図
1. 自社の志望度を確認したい
採用担当者は「4月に〇名入社させるために、〇名に内定を出す」という採用目標を抱えています。しかし、志望度の低い候補者に内定を出してしまうと、辞退されてしまう恐れがあり、採用目標を達成出来ない可能性があります。したがって、他社選考状況を確認することにより、自社の志望度や他社の選考の進み具合を確認しています。
2. 転職活動に一貫性があるか確認したい
転職活動の軸や企業選びに一貫性があるか確認することで、これまでの選考で話した内容に矛盾がないか確認しています。CRA職を受けている候補者が「経理でも選考が進んでいます」と言ったら、面接官は違和感を覚えますよね。一貫性を持って企業選びをしている候補者はその仕事に熱意を持って応募していると判断できるので、自社への志望度の高さも一緒に測ることができます。
回答例・ポイント
「複数社選考が進んでいます」程度に留めておきましょう。企業名まで言う必要はありません。さらに職種について聞かれた場合、「同じCRA職で複数社選考が進んでいます」などと答えれば問題ありません。
②(複数受けている場合)志望度は?どのように決めるか?
質問の意図
自社の志望順位を確認したいため、企業はこのような質問をします。理由は上述した通り、採用目標を達成するため、志望度の高さを見極めたいからです。
どのように決めるかについては、自身が転職活動において重視している点を答えましょう。
回答例・ポイント
一般的かつ無難な回答は「御社については前向きに検討しています」といった回答でしょう。先方も悪い印象は受けないと思いますが、もし志望度が特に高い場合は「御社が第一志望です」などと答えても構いません。
③希望年収
質問の意図
1. 自己評価の確認
応募者が自身の経験・スキルを客観的に評価出来ているか確認する意図があります。自分が持っているスキルが応募先企業でどのぐらい貢献できるのか、入社後に大きなギャップが出ないよう、自身の市場価値を把握しておくことが望ましいです。
2. 採用ミスマッチの回避
採用には予算が決められています。提示された希望年収が予算を超過しているのであれば、予算を超えてでも採用すべきか交渉に至る場合もありますが、交渉に至らず不採用となるケースもあります。ほとんどの応募者は、想定年収のレンジをある程度把握して面接に臨むと思います。企業が求める予算内で希望年収を伝えるのが無難です。
回答例・ポイント
「(想定年収が600~800万円の場合)現職が約650万円のため、同程度かそれ以上だと嬉しいです」などと答えるのが一般的です。あくまで希望なのでどうしても譲れない希望額がある場合はお伝え頂いて構わないのですが、レンジが見合わない場合、ここが大きな要因となってお見送りとなるケースもありますので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか。今後の面接時のご参考になれば幸いです。
弊社は、書類の添削、面接対策、入社後のフォローまで、一貫したサポートを提供しています。
ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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上谷 奈穂(かみや・なお)
スペシャリストコンサルタント
製薬業界において、CRO/CSO企業を担当しています。メインはCRA(臨床開発モニター)やMSL(メディカルサイエンスリエゾン)のポジションです。今後、CRO/CSO企業の需要は益々高まっていくものと思われます。企業様と求職者の方々、双方に寄り添ったサポートが出来ればと考えております。